著者のまごこもです
この物語は、すべてフィクションです。
兄妹愛を軸に
少し現実とは違う裏の社会を描いた話。
でも、正直に言うと、
この小説を書いていたときの自分は
精神的にけっこう参ってました。
ちょうど、離婚を経験した直後だったから。
怒り、憎しみ、嫉妬。
そんな言葉にすると
少し大げさに見えるけど、
実際には、それに近い感情が
心の中でぐるぐるしていた。
物語の中で描かれる登場人物たちの
衝突や葛藤は
実はそのときの自分自身の内側だった
と思います。
綺麗なものだけじゃない。
人の感情って
もっとぐちゃぐちゃで
うまくいかなくて
でも、それでも“何かを守ろうとする力”は
ちゃんとそこにあって──
自分がこの作品で描きたかったのは、
どんなに歪な形でも、
どんなに怒りや悲しみに満ちていても、
そこには必ず**「誰かの愛」がある**ということ。
それが、物語の中での正義でもあり、
この世界のどこかにもあると信じたかった、
自分自身の“希望”だったのかもしれません。
だからこそ、この小説のタイトルを
**『黎明の道』**にしました。
夜が一番深いとき──
もう何も信じられなくなったとき──
それでも、遠くで鐘の音が鳴るように、
優しさの意味を問う物語にしたかったんです。
読んでくれる誰かの中にも、
たとえ言葉にならないとしても、
なにかがふっと揺れるような、
そんな読後感を届けられたら嬉しいです。
