月の立つ林で(青山美智子)ポッドキャストを通して描かれる心をつなぐ物語

青山美智子『月の立つ林で』の書影と、“今夜読みたいおすすめ小説特集”の文字が入ったアイキャッチ画像

人と話すことが怖くなったとき、誰かとつながりたいけれど、どうすればいいのか分からない夜がある。そんなとき、静かに寄り添ってくれるのがこの一冊。

ポッドキャストを通して描かれる、心と心をつなぐ物語。『月の立つ林で』は、少しずつはじめてみることの尊さを教えてくれる優しい作品です。

月の立つ林で(青山美智子)作品情報

『月の立つ林で』(青山美智子)を読みながら静かに涙を流す女性の線画。心に響く言葉と優しさに包まれて涙する様子を描いたモノクロイラスト。
項目内容
タイトル月の立つ林で
著者青山美智子
出版社 / レーベルポプラ社
発売年2022年11月7日
ジャンル文芸作品

あらすじ|ポッドキャスト

小さなポッドキャスト番組をきっかけに、見知らぬ人々の人生が静かに交差していく。悩みを抱える人、誰かを失った人、何かをあきらめた人。

それぞれが声を通じて、少しずつ自分の心を取り戻していく。ポッドキャストという“音”の世界が、人と人をつなぐやわらかな糸となり、やがて読者自身の心にも温もりを灯す。

「話すこと」「聴くこと」の力を、こんなにも優しく描いた物語は珍しい。

こんな人におすすめ

  • 泣ける度
    5
  • 楽しめる
    4
  • 切ない
    5
  • 満足度
    5
  • 読み応え
    5
  • 何かをはじめる勇気がほしい人
  • 自分の声や思いに自信を失っている人
  • 人との距離を感じる人
  • 静かな癒しの物語を読みたい人

読後の感想

ページをめくるたびに、心の奥がやわらかくほぐれていく。青山美智子さん特有の“光のような優しさ”が、静かな言葉で描かれている。

登場人物たちはそれぞれに痛みを抱えながらも、ポッドキャストを通して少しずつ自分を取り戻していく。「少しずつはじめてみる」ことが、どれだけ勇気のいることか。

それでも人は、声を、言葉を、思いを通してつながっていく。この物語を読み終えたあと、あなたもきっと誰かの声に耳を傾けたくなる。

おわりに|つながり

手に持った文庫本『月の立つ林で』。黒い猫の白黒カラーが印象的

人は、誰かの言葉に救われながら生きている。そして自分の声もまた、誰かの夜を照らしているのかもしれない。『月の立つ林で』は、

そんな「つながりの奇跡」を静かに描いた一冊。もう一度、人を信じてみようと思えるような、優しい光がここにあります。最高でした。

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